標準問題集 平成21年 中学3年生 国語 第1回

理科ほどではありませんが,国語コースのリクエストが多く,いかに中学生が国語に手こずっているかがうかがい知れます。

国語の指導について可能性があるかどうか検討している中で,標準問題集を解いてみました。
3年生の問題ともなると,簡単ではないことがわかります。

気がついた点の一つ目は,問題の文章が普段中学生が読むようなものではないことです。「物語文」はともかく,「説明文」は読んでないでしょうね。
標準問題集 平成21年中学3年生 第1回の第1問もそうです。
出典は「ニホンカモシカのたどった道(小野勇一)」です。
日本中の中学生の一体何人がこの手の文章を読むでしょうか。
だから解けないのかもしれません。
ただ,今から焦ってこの手の書籍を読んでいくわけにもいかないでしょう。問題集をできるだけ多く解いて,慣れていくことが良策だと思います。

気づいた点の二つ目としては,長文が必ずしも読みやすい文体ではないことです。
そもそも,文章をしっかり理解することが主目的のはずなのに,読みにくい文章を読ませることは酷なような気がします。
上記の問題の長文はさほど読みにくいとは思いませんでしたが,他の問題でそのように感じるものがありました。1学期に行われた中学3年生の確認テストの問題です。平均点が非常に低かったのは,それが理由の一つかもしれません。
「説明文」は,わかりやすく簡潔に書くことが肝要です。そうでなければ,著者の意図が読者に伝わりませんから。
それにもかかわらず,技巧を凝らして書くことをよしとする風潮が残っており,そのような文章を問題文に採用したのでは,中学生が国語に苦手意識を持っても仕方がないと思います。
わかりやすく簡潔に書き,その文章を読むことを指導する国語教育であって欲しいと思います。

気づいた点の三つ目は,「問題にも問題があるのでは」ということです。
上記の問題の問6イに「調査の結果……を書きなさい。」とあるのですが,その「結果」という言葉に引っかかりました。
「結果」と「結論」は意味が異なるはずです。辞書を引いてみましょう。明確に区別されていると思います。
この問題では,「調査の結果」ではなく「調査の結論」であるべきではないでしょうか。
この意見は間違いかもしれません。しかし,国語の問題を解くためには,言葉に対してこれくらい敏感にならなければならないのです。これは間違いない思っています。
「『結果』と『結論』? 同じじゃん?」などと言っているようでは国語の点数は伸びないでしょう。

国語のレベルアップのためには,良問をどんどん解いていくべきでしょう。問題のある問題を解いていっても,「?」が頭に残ったままになりそうです。
良問を提供できるかどうか,それが我々のミッションになりそうです。・・・・・・しかし,難しい。