道管と師管の並びについて

理科で分からないところがあるんです~。

と、中1生。

質問は「どうして茎の道管は師管より中に位置するのか。」

うーん、今まで私は考えたこともなかった。

だって、その質問は
「なんで鳥には羽がはえているのか。」とか
「なんで人間の鼻は一つなのか。」といった類と一緒のような気がする。

自然界は、進化の過程でいろいろな要因が重なって現在の形を作っているから
人間の目線から理由を考える事は時として難しい。

どちらが大切かという点から考えてみると
師管より道管が直接植物の生死に関係するので、大事なものが守られていた方がよいということで
内部に位置する方が好ましいような気がしますね。

専門家の話では、
道管が内部に位置する理由は実のところよくわかっていないようです。

茎が成長して太くなることに関係があるかもしれないということです。

道管は死細胞の細胞壁からできているのでそれ以上成長せず、堅くなり茎の強度を保ちます。
一方師管は生細胞からできおり、さらに道管と師管の間に形成層という細胞分裂する部分があります。

ですから、道管(成長しない木部)が外側にあると茎が太く成長することは難しそうですね。

実は、植物には例外もあり、道管と師管の並びが異なるものもあるようです。

形成層をはさんで内側に木部(道管)、外側に師部(師管)が配置されている並立型が最も一般的ですが、
内側から師部・ 形成層・木部・形成層・師部という配置(副並立型)や
木部が師部を取り囲む配置(外木包囲型)などの例外もあるそうです。

例外があるから生物はいやだ~、と思うか、だから面白いなぁ~と思うかは人それぞれですが
ちょっとしたことに疑問をもって調べていくと、いろいろな発見がありますよ。

道管が死細胞からできているというのも驚きですね。
円筒形の細胞の中身がなくなり、細胞と細胞の間の壁も消えて、ホースのようにつながるようです。
本当に生き物の体はよくできています。

                      ———-や目

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