忘却曲線と復習
「忘却曲線」について,塾生達に説明したことがあります。
20分後には42%を忘却し,58%を覚えていた。
1時間後には56%を忘却し,44%を覚えていた。
1日後には74%を忘却し,26%を覚えていた。
1週間後には77%を忘却し,23%を覚えていた。
1ヶ月後には79%を忘却し,21%を覚えていた。
という実験結果をグラフ化するときれいな曲線ができあがります。これを,実験を行った学者の名前をつけて,エビングハウスの忘却曲線と言います。
「人間は忘れる動物である」という言葉通りです。
もし,あらゆる事を忘れることができなければ,悲しい出来事や辛い体験をずっと引きずって生きていかなければなりません。
ですから,忘れることは人間にとって大切な機能の一つでしょう。
だからといって,忘れすぎるのも困ったものです。
上記の忘却曲線を見てどう感じるでしょうか。
実験は,被験者に,規則性なく並べた文字を記憶してもらい,その再生率を調べたものです。
したがって,通常の学習における記憶・再生とはちょっと違います。
しかし,その傾向は同様になると考えられます。
ものすごい忘れっぷりですよね。
この実験結果から,いかに復習が大切か,再認識するのではないでしょうか。
復習のタイミングも考えなければなりません。
一月後に復習しても,8割も忘却の彼方なのですから,もう復習というよりも,新たに覚えている状況に近くなってしまいます。
復習のタイミングについては色々な方が色々なことを述べているようですが,だいたいは,次のようです。
まず,覚えてから数時間以内には一度目の復習をしましょう。
次は,1週間後,その次は1月後……。
こんな感じですね。
これくらいすれば長期記憶に入るでしょう。
つまり,「もう忘れない」状態になりそうです。
個人差もあるかとは思いますが,効果はほぼ共通するかと思います。
復習,やはり侮れません。