金星の太陽面通過と金環日食
昨日(6月6日)は,金星の太陽面通過が観測されました。
観た方も多かったのではないでしょうか。
想像したより金星が小さくて「しょぼかった」と言う声もあるようですが,
先日の金環日食の余韻のような気がします。
しょぼくなんかありませんでした。
すごい天体ショーでした。
金星は確かに存在していて,
ずーっと昔から,地球よりも内側の軌道を正確に周回しているんですね。
人類がいなくなるはるか未来にもほとんどかわらずグルグルしているはずです。
「105年後にこの場で観測しているのは果たして誰なのか」と考えてしまいました。
さて,先日の金環日食(福井では部分日食)と昨日の金星の太陽面通過との比較ですが,
我々の地球と太陽との間に他の天体が割り込んで来る現象であることには変わりありません。
その天体の見た目の大きさによって,
「食」と「通過」に区別されるのですね。
金星の見た目の大きさでは日食とは言いづらいですよね。
もう一つ気になったのは,太陽に対する金星と月の(見た目の)移動方向です。
日食のとき,月は太陽に対して西側から入って東へ抜けて行くように見えましたし,
金星の太陽面通過のときは,金星は太陽に対して東側から入って西側へ抜けて行くように見えました。
太陽,月,金星は地球の自転による日周運動をしていますが,
加えて,月は地球の周りを公転していますし,金星は太陽の周りを公転しています。
それぞれの見た目の運動は,これらの回転運動の組み合わせによるものです。
ややこしいですよね
全部止まっていればわかりやすいのですが(笑
2009年7月22日に観測された日食については,
翌年3月の県立高校入学試験に出題されました。
今年は,天体ショーが目白押しですが,
昨日の金星の太陽面通過も要チェックです。
もともと金星に関する問題は頻出ですしね。
ちなみに,水星の太陽面通過もありますが,
さすがに公転周期が金星よりさらに短いだけあって,
比較的多く発生するみたいです。
ただし,金星があれだけ小さく,肉眼での観測が厳しかったのですから,
水星の場合は,さらに観えづらいでしょうね。
加齢も観測難に拍車をかけます
眼は大切に