えんさば

さくら塾は福井県鯖江市にあります。

この「鯖」という文字ですが、
正式には、旁(つくり)は青ではありません。
青の月の部分が「円」という字です。
月ではないぞという意味を込めて、
この辺りでは「えんさば」という言葉が通用しています。

市内の看板なども、できるだけ「えんさば」に統一されているようです。
ところが、PCで表示されるサバの字が、
以前は「つきさば」になっており、
特に公文書を書くような人(先生や役人さん)は、
わざわざ外字を作成していたようです。

で、最近(数年前?)になってPCで表示される鯖が、
何もしなくても「えんさば」になっていることに気づきました。
このブログも私のPCでは「えんさば」です。

いつからフツーに「えんさば」になったのか……。
昨日、知人とそんな話になったので、ちょっと調べてみました。

実は、サバは「えんさば」が正字らしいですね。
それをこともあろうか、
1978年にJISが略字である「つきさば」を採用してしまったとのことです。
JIS X 0208 という規格です。

それから約30年の間、鯖江市民(の一部の人)は外字を作ってしのいできたのです。
で、2004年の JIS X 0213 で、
サバはやっぱり「つきさば」だとなったというわけです。
JISが改正されたのですから、
その後のPCでは、正字が表示されるようになりました。

めでたしめでたし。

サバに限らず、いろいろな字が、正字に戻されています。
経済産業省が発行したプレス向けの資料をご覧ください。

「えんさば」になったのはよかったのですが、
街中を見ると、今度は編(へん)の魚の部分で、
れっか(点が4つのところ)が「大」になっているものを見かけます。
せっかく旁が正字なのに、編が略字……う~んがく〜(落胆した顔)

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