平成23年度県立高校入学試験_理科7
今日の新聞朝刊にも掲載されていましたが,
昨日行われた県立高校の入学試験の理科の設問に出題ミスがあったようです。
大問7の図2のグラフの内容です。
このグラフでは,0.5秒後のテープの長さが9cmとなっていますが,
ここは8cmでなければならないとのことです。
私もミスを知らずに解いてみましたが,気づきませんでした^^;
新聞記事にもありますが,この誤記にかかわらず正答することができますが,
もしミスに気づいて,それが気になりだすと,かなりはまりそうです。
もっとも,あの緊張感の中で,このミスに気づく受験生は相当な実力の持ち主でしょうね。
さて,なぜ8cmでなければならないか,ちょっと考えてみました。
この台車は,おもりが床に達する前は,等加速度直線運動をしています。
つまり,一定の割合でスピードが増していく運動です。
ちなみに,この語は教科書には載っていなかったかもしれません。
さて,このときの台車のスタートからの経過時間をt,移動距離をyとしますと,
y=100t^2 ……①
という式で表すことができます。
中3数学で勉強した二次関数です。
なぜ,この関数になるかは,tとyとの関係を表にしてみればすぐわかります。
ここまでは中学理科の範囲ですが,この後は超えているかと思います。
でも,説明を進めます。
式①をtについて微分するとt秒における台車の速度vを表す式が得られます。
v=200t ……②
さて,おもりが床についた後は,問(3)にあるように,
台車は等速直線運動をしますので,記録テープの長さは一定になります。
したがって,等加速度直線運動から等速直線運動に切り替わるタイミングは,
グラフから読み取ると,台車がスタートしてから0.4秒後です。
そこで,式②にt=0.4秒を代入しますと,v=80cm/秒が得られます。
このように,おもりが床についた後の台車は一定の速度80cm/秒で移動することになります。
また,問(1)にあるように,記録テープ一本は,0.1秒間の台車の動きに対応しています。
したがって,等速直線運動をしている台車の動きを表す記録テープの長さは,
80*0.1=8cm
です。9cmではないということです。
問題研究をするということは,ここまでしっかり問題を吟味するということなのでしょう。
さすがに学校の理科の先生です。すごいです。
ここまで,書いてみて気づいたのですが,
今朝の新聞の記事「0.5秒後以降の移動距離を示すグラフの長さが……」について,
これって,0.5秒後ではなくて,0.4秒後じゃないでしょうか。
出題ミスの記事がミス?^^;
それとも私の解釈ミス?